タロットカードは「大アルカナ」と呼ばれる22枚のカードと「小アルカナ」と呼ばれる56枚の合計78枚で成り立ちます。小アルカナは、1~10までの数字を表す「スートカード」40枚と、4人の人物を示す「コートカード」16枚に分けられます。
もともとスートとはカードに付いているマークのことで、タロットカードでは、ワンド、ソード、カップ、ペンタクルの4つになります。
ここでは、スートカードの「ワンド」が持つ特性と1~10までのカードの意味をまとめました。
そのほか各スートの意味は、他の記事を参照ください。
カップ・スートカード|タロット占い師が小アルカナの意味をまとめました
ソード・スート|タロット占い師が小アルカナの意味をまとめました
ペンタクル・スートカード|タロット占い師が小アルカナの意味をまとめました
<もくじ>
ワンドが持つ特性
「ワンド/wands」とは、棒、杖、棍棒などと訳されますが、きりんのイメージしているのは「松明」です。進むべき道を照らす灯りであり、歩みを支える杖にもなる、旅人の必需品です。
所属エレメント:火
階級イメージ:農耕民
ワンドの特性:情熱、原動力、野心、意志
火のエレメントに属するワンドは、燃えるようなエネルギーを持つカードです。自分の胸の内に生まれた希望を、自らの手で意地でも叶えていく強さがあります。
自分の信念を疑わず「為せば成る」を体現していきます。
ワンドカードの覚え方
タロットカードには、一枚一枚にそのカードが象徴する意味が込められていますが、それらは一つのストーリーとして繋げることが可能です。
たとえば大アルカナの場合は、一人の無垢な青年が人と社会との関係を築きながら、一つの世界を完成させる様が22枚を通して描かれています。
それと同じように、スートカードを1~10まで並べると、それぞれのストーリーが見て取れるようになっています。各カードの意味はこのストーリーに沿って設定されているので、まずはストーリーを把握した方が各カードの細かい意味が覚えやすくなると思います。
<ワンドカードのストーリー>
とある農民が、もっと自分の立場を上げたいと思い立ちます。まずはその夢を叶えるための準備を整えることにしました。その努力は実を結び、さらなる土地の開拓を視野に入れ出します。そこで彼は、同じ目的を持つ仲間を作ることにしました。同じ志を持った仲間同士、はじめは楽しく良い関係を築いていましたが、もともと野心家の集まりですので、しだいに関係性は崩れ、争いへと発展していきます。
その後、彼は争いに勝利することでコミュニティのリーダーへと成り上ります。しかし、力ずくで手に入れた統制は長くは続かず、彼は仲間と孤立して追い詰められてしまいました。そこに思いも寄らない急展開が巻き起こります。その混乱に乗じてなんとか攻撃から逃れることに成功し、平地で傷ついた心身を癒そうとしますが、さらなる追っ手を恐れて身を隠し、周りへの警戒心を払拭できません。
やがて体の傷が癒えて次の町へ旅立つ時がやってくるも、どうしても今まで獲得してきた持ち物を手放せません。荷物の中にはもう必要ないものもあるでしょう。新しい場所で新たに手に入れられるものもあるでしょう。それでも彼は、それらを捨てることも、他人にゆだねることもできずに、一人で抱え込んで歩いていくのです。
以上が、ワンドのカードからイメージするストーリーです。
出だしの好調さとは裏腹に決してハッピーエンドではないストーリー性から、わたしは道徳的な意味合いが強いスートだと思っています。
それではこのストーリーを踏まえて、各カードの意味を確認していきましょう。
ワンドカードの意味
【ワンド1/ACE of WANDS】
意味:やる気、衝動、初期行動、チャレンジ、新しいことへの挑戦、そのための準備期間
松明を握りしめて、力強く掲げるその様は、今まさに思いついた夢に燃えているようです。この最初に抱いた情熱を忘れずに、夢に向かって進んでいきましょう。このとき想いばかりが先走らないように注意してください。
【ワンド2】
意味:初期成功、とりあえず満足、期待、動くタイミングを待っている
わたしには、真ん中の男性が自分の行動によって繁栄した町を見下ろしてうっとりしているように見えます。とりあえず最初に望んでいたものは全てそろいました。あとは何か次の段階へ進むためのきっかけを待っている状態です。ただしここまま待つだけではタイミングを逃しますよ。自分で行動に移さないとね。
【ワンド3】
意味:さらなる発展を望む、新しい環境、理想を抱く、模索する
今までの自分の功績に満足しながらも、広く遠い海を眺めながらまだ見ぬ新しい世界が気になりだします。しかし、海を渡るにはまだ力が足りません。どうしたらさらに先へ進めるかよく考える必要があります。
【ワンド4】
意味:安定、歓迎、コミュニティの広がり、穏やかな関係
仲間と楽しく過ごす穏やかな日々が描かれています。この場所が心地よくて、つい決断を先送りにしちゃいそうです。しかしいつまでもこのままではいられません。
【ワンド5】
意味:争い、衝突、混乱、いざこざ、意見が嚙み合わない、対人トラブル
描かれている人物は、全員それぞれ別方向を向いています。意見がまとまらず、混戦状態です。人間関係はある日突然激変することがありますよね。日ごろから相手を思いやる気持ちを忘れずにいましょう。
【ワンド6】
意味:勝利、自信、栄光、賞賛、優越感、注目される、傲り
中心人物が被っている月桂樹の冠は勝者の証です。ライバルに打ち勝ち、あなたへの注目が高まるときです。だからこそ自分の行動には気をつけて。その発言は本当に相手のため?自分のエゴではないかい?「驕る平家は久しからず」ですよ。
【ワンド7】
意味:孤軍奮闘、必死、苦戦する、焦り、ライバルを蹴散らす
ピンチのときこそその人の人間性が出ますよね。日ごろから周りに親切にしていれば、自然と仲間は増えているはずです。またときには他人と衝突しても、しっかりとした信念があれば味方は必ず現れます。本当に一人で崖っぷちに立たされているなら、もう少し素直になってみましょう。周りに助けを求めるのは悪いことではありませんよ。
【ワンド8】
意味:予期せぬ急展開、好転、変化、急成長
意外なところから突然ツキがまわってくるようなイメージです。勢いに乗って運を掴めれば急激に好転できる可能性があります。しかし、勢いが早すぎて掴み損ねないように注意してください。
【ワンド9】
意味:身構える、耐える、防御する、用心深い、消耗、準備
カードの人物は、自分で建てた柵の中で、不安げな表情を浮かべながら周囲をうかがっています。しかし実際に柵の外は穏やかな様子。その場所から抜け出す時期が来ていますよ。本人が思うほど怖いことなど起きません。
【ワンド10】
意味:一人で抱え込みすぎる、プレッシャー、限界、重荷
見るからに重そうな荷物を抱える青年が描かれています。果たして本当に、そんなに一生懸命運ばなくてはならないほどの荷物なのでしょうか。また、誰かに手伝ってもらえば、はるかに早く、楽に運ぶことも可能です。その苦労は本当にしなくてはならない苦労ですか?もっと自分の状況を客観的にとらえて、他人に目を向けてみましょう。
ワンドの由来とトランプのスート
歴史的にもカードを使った遊戯は非常に人気が高く、貿易などによって世界中を行き来して、その国独自に発展してきました。タロットカードももともとは占い用ではなく、カード遊び用に生まれたものです。
タロットのスートは「ラテン式」と呼ばれるもので、アラブ地域で使用されていた柄を、ヨーロッパでほぼそのまま採用しています。
わたしが上述でワンドを説明したときに「松明の棒」みたいだと言いましたが、本当はワンドは「ポロスティック」のことです。
ポロとは現代でも楽しまれている馬に乗って行う球技のことです。有名ブランドのロゴにも使われていますよね。
わたしはポロってなんとなく英国貴族が親しんだスポーツだと思っていたんですけど、調べたら本当はイラン(つまりアラブ圏)で生まれたスポーツなんですって。
知りませんでした!!
それがインドに伝わってイギリスがインドを植民地にしたときに、イギリス兵がポロを持ち帰ったらすごい人気が出てヨーロッパに広まったんだそうです。
たしかに兵隊さんなら馬に乗るし、馬に乗りながらできる遊びって需要がありそうですねもんね。
そして、日本でも馴染み深いトランプのスートは、スペード、ハート、クラブ、ダイヤ4つですね。このスートは「フランス式」と呼ばれ、このラテン式スートがドイツを経由してフランスで簡略化されたものです。
スペード=ソード、ハード=カップ、クラブ=ワンド、ダイヤ=ペンタクルになります。つまり、大アルカナを抜かしてコートカードの枚数を揃えれば、タロットをトランプの代用品として使うことも可能なのです。
その場合、ジョーカーには大アルカナの愚者と審判あたりを使うのがいいかなぁ。
タロットカードの解釈に正解はない
タロット占いの大前提は「タロットカードの解釈に正解は存在しない」です。十人のタロット占い師がいたら、十通りの解釈があって当然です。このブログ内で紹介するのは、あくまでもきりんの解釈です。
いろんなタロット本や文献、さまざまな人のブログ記事などを参考にしながら、自分がしっくりくるやり方を突き詰めていくことが正解です!!
この記事をご覧いただいた方の参考になれば幸嬉しいです(^O^)
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