タロットカードは「大アルカナ」と呼ばれる22枚のカードと「小アルカナ」と呼ばれる56枚の合計78枚で成り立ちます。小アルカナは、1~10までの数字を表す「スートカード」40枚と、4人の人物を示す「コートカード」16枚に分けられます。
もともとスートとはカードに付いているマークのことで、タロットカードでは、ワンド、ソード、カップ、ペンタクルの4つになります。
ここではスートカードについて、スート「カップ」が持つ特性と1~10までのカードの意味をまとめました。
そのほか各スートの意味は、他の記事を参照ください。
ペンタクル・スートカード|タロット占い師が小アルカナの意味をまとめました
ソード・スート|タロット占い師が小アルカナの意味をまとめました
ワンド・スートカード|タロット占い師が小アルカナの意味をまとめました
<もくじ>
カップが持つ特性
「カップ/cups」とは、盃、聖杯と訳されます。きりんがイメージしているのは「心の器」です。カップという心に水という愛情が注がれていく様を想像しています。
所属エレメント:水
階級イメージ:僧侶・聖人
カップの特性:愛情、幸福、喜び、感謝
水のエレメントに属するカップは、多様な愛情を示すカードです。自分と他者の違いを受け入れ、愛すること。水には形がありません。注がれる器(人間性)に合わせて自在に形を変化させます。
カップカードの覚え方
タロットカードには、一枚一枚にそのカードが象徴する意味が込められていますが、それらは一つのストーリーとして繋げることが可能です。
たとえば大アルカナの場合は、一人の無垢な青年が人と社会との関係を築きながら、一つの世界を完成させる様が22枚を通して描かれています。
それと同じように、スートカードを1~10まで並べると、それぞれのストーリーが見て取れるようになっています。各カードの意味はこのストーリーに沿って設定されているので、まずはストーリーを把握した方が各カードの細かい意味が覚えやすくなると思います。
<カップカードのストーリー>
とある男性の心に喜びが湧き出ます。これは生まれてきたことへの喜び、自分を愛することへの喜びです。やがて彼は成人をむかえ、ある女性と恋に落ちて結婚します。彼らの周りの人々も2人の結婚をそれはそれは喜んでくれて幸せな毎日が続きました。
しかし、あるときあまりにも平穏な日々が続いたせいで、ふと「このままでいいのか」という疑問が彼に浮かびます。幸せな生活はしだいにマンネリ化し、つい感謝の気持ちを忘れがちに。そんな夫の態度に妻は呆れて、ついに彼は一人になってしまいました。このとき彼は失ってはじめて本当に大切なものに気が付きます。
あの頃に戻りたい、どうすればよかったのか、これからどうすればいいのか、後悔は堂々巡りです。しかし、このままではいけないと過去の過ちを断ち切り、もう一度真面目にやり直そうと奮起します。努力は実を結び、再び彼に幸福が戻ってきます。だたし、今度は自分だけの幸福ではありません。周りへの感謝を忘れず、他者の幸せも願ようになった彼の元には、愛する家族が戻ってきます。
以上が、カップのカードからイメージするストーリーです。
それではこのストーリーを踏まえて、各カードの意味を確認していきましょう。
カップカードの意味
【カップ1/ACE of CUPS】
意味:幸福、喜び、満足感
カードに描かれているハトは平和の象徴です。加えているコイン(らしきもの)に書かれている十字は全エレメントを意味し、生命力のシンボルだそうです。わたしには、このカップから水がとめどなく溢れるさまが、人の心に抑えきれないほどの想い溢れているさまとリンクしてみえます。
【カップ2】
意味:出会い、親しみ、惹かれる、共鳴、意思疎通
2人の男女が結ばれる様子が描かれています。大アルカナの恋人が「試練を2人で乗り越えていく愛」を示すなら、こちらはもっと単純に「ドキドキ・ワクワクする愛」を表します。新婚さんそのものの気持ちですね。
【カップ3】
意味:祝福、仲間、共有、社交的、なれ合い
わたしはこのカードを「飲み会カード」と呼んでいます。3人の女性が女子会で楽しんでいるように見えませんか?個人やパートナーと向き合うよりも仲間とワイワイ楽しむ方が好きなようです。
【カップ4】
意味:倦怠感、マンネリ、退屈、受け身、見落とし
トラブルが続くと平穏な暮らしが羨ましくなりますが、いざ穏やかな生活が続くとしだいに刺激を求めるようになります。本来は落ち着て暮らせることこそが幸せなことなのに、つい退屈に感じてしまうんですね。
【カップ5】
意味:後悔、失望、喪失感、すべては自分のせい
大切なものに失ってはじめて気が付いた…そんな悲しい結果にならないよう、日ごろから想いは口に出して伝え、周りの環への感謝を忘れずに。もし失敗しても必ず次の道は開けます。失敗はしっかり受け入れて、そして成功への糧にしよう。
【カップ6】
意味:思い出、過去を振り返る、懐かしさ、原点、子供っぽさ
状況が上手くいかなくなると、つい「あの頃は良かったな~」と好調だった頃をふり返りたくなります。しかし過去には戻れない。良かった点はそのままに、悪いところは改善していくことで未来は再び切り開けます。
【カップ7】
意味:迷い、欲張り、誘惑、決心が固まらない
わたしはこのカードを「神龍(シェンロン)カード」と呼んでいます。ドラゴンボールを7個集めると神龍が願いを一つ叶えてくれるのですが、あれもこれもと欲張りすぎて一つに決められない…そんな状況を表しているように見えませんか?強欲は身を亡ぼす。選択肢のひとつに悪魔がいるのも印象的です。
【カップ8】
意味:方向転換、進路変更、非効率なりの転機
このカードのわたしの見方は2通りあります。一つ目は、几帳面にカップを並べていたけど「このままじゃダメだ」と、それまでの習慣に見切りをつけて次の道を探しくいく前向き場面です。もう一つは、カップを並べている途中で一つ足りないことに気が付き、夜にも関わらず探しに行ってしまうというおっちょこちょいな場面です。どちらにしても変化は変化であり、前向きなカード並びなら前者の意味を、並びが良くないときは後者の意味を採用しています。
【カップ9】
意味:満足感、自慢げ、願いが叶う、愉悦
中心人物渾身のドヤ顔が描かれていますね。「どやさ!」って聞こえてきそうです。このドヤ顔が、頑張って自分の力で成し遂げたから出る自信から来ているのか、表面的に鼻につく自慢なのか、カードの並びから判断してください。前者なら周りの人にも分け与えられるほどの余裕をもってもらい、後者なら欲しがり過ぎに注意してください。
【カップ10】
意味:精神的充実、幸福、喜び、満ち足りた生活、家族愛
愛する人がいて、子供がいて、空には虹がかかる、見るからにハッピーなカードです。誰もが幸せな生活を送りたいと願っていますね。では、幸せとはなんでしょう?最初このカードの男は平凡な生活を退屈だと思いました。しかし今はこの平凡な生活こそが彼の幸せの象徴です。つまり、幸せがどうかは自分の意識一つで決まります。小さな喜びに気が付くことができれば、それだけで人は幸福に満たされるのです。
タロット占いは暗記ゲーではありません
タロット占いに興味を示す方の中に、タロットカードを暗記ものだと思っている方をちらほらおみかけします。実際に「タロット占いを自分でもやってみようと思ったんですが、カードの意味が覚えきれなくて諦めました」という方に会ったこともあります。
いやー、実にもったいない…
はっきり言って、タロットカードは暗記するものではありません。少なくともわたしは暗記しようと試みたこともないですし、今まで出会ったほかのタロット占い師さん達からも「暗記した」という話は聞いたことがありません。
カードの意味を丸暗記しなくても人は占えますし、占っていく中で自然に身に付いていきます。今回はワンドカードのまとめ記事なので、やり方はここでは紹介はしませんけどね…(;'∀')
もしきりんがタロット講座を開くようになったらそこで詳しくご紹介します!!
タロットカードの解釈に正解はない
タロット占いの大前提は「タロットカードの解釈に正解は存在しない」です。十人のタロット占い師がいたら、十通りの解釈があって当然です。このブログ内で紹介するのは、あくまでもわたしの解釈です。
いろんなタロット本や文献、さまざまな人のブログ記事などを参考にしながら、自分がしっくりくるやり方を突き詰めていくことが正解です!!
この記事をご覧いただいた方の参考になれば幸いです(^O^)
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