「陰陽五行説」という言葉を聞いたことはありますか? 社会科の授業で習うかもしれませんね。陰陽五行説とは古代中国で生まれた思想の一種です。
そして、陰陽五行の思想は中国から日本へ渡り、平安時代には陰陽道が生まれるくらい日本でも普及しました。算命学や四柱推命、風水などの中国発祥の占いの基礎であるのはもちろん、日本でも陰陽道のベースになっているのはこの陰陽五行説です。今回はそんな東洋思想の基本、陰陽五行説のお話。まずは陰陽説から。
陰陽説ってなに?
陰陽五行説はもともとは「陰陽説」と「五行説」に分かれていて、それぞれは無関係な考え方でしたが、この二つの思想が後に結合して「陰陽五行説」となり、組み合わさったことによってより複雑な事象の説明ができるようになりました。
この陰陽説とは、全世界のあらゆる事柄や物事は陰と陽の二つに分けることができる、という思想のことです。とにかく、世の中すべての存在は「陰」と「陽」に分かれるよ、ってことです。
陰陽説では、陰と陽はペアであり、必ず二つで1セットです。しかも、陰と陽は真逆の対立する性質でありながらも、陰が極まれば陽に転じ、陽が極まれば陰に転じる、として陰陽はお互いの性質を内包しているといえます。※極まる=目一杯増え尽くしたイメージ
そして、陰陽は互いに影響し合いながら均衡を保つことによって世界の秩序は守られていると考えられています。
▲このマークをみたことありますか?これは陰陽説をあらわしたマークです。「陰の中にも陽があり陽の中にも陰がある、陰は陽に移り陽は陰に移る」ということがあらわされています。
なので、決して「陰=悪」「陽=善」ということではありません。
どんな風に陰陽は分けられているの?
では、世の中すべてのものを陰と陽に分けてみましょう(笑)
ま、すべてのものをここで分けるのは無理なので、代表的なものをいくつか書いておきます。
そこで、陰と陽を分ける基準ですが、
陰=影、狭く深く、安定、統一
陽=光、広く浅く、変化、改革
ざっくりこんなイメージです。
ここから派生して陰陽を分けた一例がこちら。
▲有伽堂きりん流算命学基礎講座テキストから抜粋
大事なのは、どちらか一方があるからいいわけではないということ。
陰ばかりでは動きがないのでやがて衰退し、陽ばかりではまとまりがないのでやがて崩壊する。陰陽説はあくまでも陰と陽が二つ1セットで、互いに変化しバランスを保つからこそ世の中は成立できているとしています。
思想を生真面目にとらえるな
ちなみに、こういう説とかよくわからん!!という人はおそらく真面目に考えすぎです(笑)
これらは「思想」なので、なんで?とかどうしてそうなるの?という類の話ではありません。信仰と似ているかな。そこに理由はないし方程式もない。ただ単純に「そういうもの」としてください。
きりんは東洋思想のいいところは白黒はっきり分けないことだと思っています。イメージではありますが、西洋では白と黒を個別の存在と捉えてそれぞれの良さを生かしていくような立場をとるのに対して、東洋思想では白い面も黒い面もどっちもあって移ろいゆくものとしています。
西洋思想と東洋思想のどっちがいいというものではありません。西洋と東洋の宗教観の違いにも関係しているとも思います。ただきりんはこの「バランスを取る」という考え方が好きです。次回は五行説について触れますが、五行も結局はバランスです。いいかえれば「調和」ですね。
いいじゃんね、調和。日本人的で(笑)
どっちがいいじゃなくどっちもないといけない。東洋思想の理想は調和を保つことにあり。
というわけで、次回は陰陽五行説の「五行説」についてです。
よろしければそちらもご覧ください。
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