ウェイト版タロットカードの大アルカナの意味をまとめました。
ただし、大前提として、タロットカードに正解はありません。
紹介するタロットカードは、ウエイト版に準じます。
誰かの参考になれば嬉しいです!
- 0.愚者/THE FOOL
- 1.魔術師/THE MAGICIAN
- 2.女教皇/THE HIGH PRIESTESS
- 3.女帝/THE EMPRESS
- 4.皇帝/THE EMPEROR
- 5.法皇/THE HIEROPHANT
- 6.恋人/THE LOVERS
- 7.戦車/THE CHARIOT
- 8.力/STRENGTH
- 9.隠者/THE HERMIT
- 10.運命の輪/WHEEL OF FORTUNE
- 11.正義/JUSTICE
- 12.吊るされた人/THE HANGED MAN
- 13.死神/DEATH
- 14.節制/TEMPRANCE
- 15.悪魔/THE DEVIL
- 16.塔/THE TOWER
- 17.星/THE STAR
- 18.月/THE MOON
- 19.太陽/THE SUN
- 20.審判/JUDGEMENT
- 21.世界/THE WORLD
- きりん流のカード解釈のポイント
- 参考文献
0.愚者/THE FOOL
意味:自由、冒険、挑戦、可能性、 愚行、狂乱、無節制など
*支配星:冥王星(♇)
破壊と再生、はじめとおわりを司る星とされています。
*エレメント:風
常に流動して止まることのない性質を表しています。
*数字「0」があらわすもの:形のない純粋な可能性
状況:21番「世界」のカードで世界は完璧なハッピーエンドを迎えたはずなのに、そこから飛び出して、外界の未知の領域に出ようとしている若者。 何不自由ない素晴らしい世界から、わざわざ飛び出して行こうとする彼を人は愚か者と呼ぶこともあるだろう。ただ彼はきっと自分が愚か者と呼ばれていることも知っている。そのうえでとても清々しい表情で歩いていく。たとえこの先崖から落ちようとも、それもまた人生だと受け入れる覚悟があるからこそ、彼は自由なのかもしれない。
イメージキャラクター:スナフキン、ピーターパン
リーディング例:相談者がなにかしらのしがらみかから自由になること。
相談者が現在不自由に感じているものは何かを探り、そこから自由になれるような想像を膨らませる。「~しなければ」「~するべきだ」という固定概念や常識から解放される、他人の顔色や言葉に惑わされないようになる、独立やフリーランスになる、愛する人と常識にとらわれない関係を築くなど。
1.魔術師/THE MAGICIAN
意味:スキルや能力の発揮、活躍、創造性、叡智、見せかけ、ペテンなど
*支配星:水星(☿)
知性とコミュニケーションを示し、論理的思考力とそれを生かす技術力、成果を人に伝える言語能力が備わっています。
*エレメント:風、地
風は、常に流動して止まることのない性質を表しています。
地は、実質的で安定した性質を表しています。
風と地は、本来正反対の性質です。正反対のものを合わせるからこそオリジナリティを生み出せるのかもしれません。
*数字「1」があらわすもの:最初の火花、創造
状況:魔術とは手品のこと。ハリーポッターが使うような魔法の力ではなく、手品には論理的に説明できるタネがある。水星が表す特徴はまさに魔術師にピッタリ。
人間が人間として発展した最大の要因は、火を使えるようになったことである。その人間が初めて起こした火花を「最初の火花」という。つまり人間の世の一番初めの能力とは、火をおこす技術力とそのメカニズムを解明する論理的思考力なのだ。
イメージキャラクター:ヘルメス(ギリシャ神話のトリックスター的男神)、スティーブ・ジョブズ
リーディング例:論理的な思考により、創造力を発揮し、大活躍すること。
自分が持っている知識や技術を駆使して、新しいものを生み出だす。自分の願望を実現するための方法を自ら考えてみる。企画力が冴える、新規開拓、コミュニケーション力が高まる、型にとらわれない発想など。
2.女教皇/THE HIGH PRIESTESS
意味:直感力、インスピレーション、無意識、神秘、隠された真実など
*支配星:月(☽)
感情と心、無意識の自分を表す星とされています。
*エレメント:水
水は、くっつき混ざり合う性質を表しています。
*数字「2」があらわすもの:協調、二重性、バランス
状況:月が顔を出す夜の時間では、昼間には隠されていた「本当の姿」が表に出てくるといわれている。月の満ち欠けは、感情の起伏に通じ、狼男が満月の日に変身するように、普段は隠している感情や態度がでやすい。しかし夜は、そんな無意識に抱えた感情をも受け止める闇がある。論理的で男性的な魔術師に比べて、女教皇は曖昧さを受け入れて共感する女性的な優しさを持っている。
イメージキャラクター:聖母マリア、セレーネ(ギリシャ神話の月の女神)
リーディング例:表に出ていない、隠れた力が発揮されるとき
周囲には知られていない、自分の隠されている部分がなにか影響を与えるかもしれない。良くも悪くもものごとを曖昧に捉えている。直感力が冴える、価値観があう、精神的繋がり、二面性、不安定など。占いやカウンセラーなどの仕事面で女教皇が出た場合は、良い活躍ができそう。
3.女帝/THE EMPRESS
意味:母性、包容力、豊穣、愛情、女性的な魅力、快楽、浪費、奔放など
*支配星:金星(♀)
愛と喜び、芸術性や物質的豊かさを司る星です。
*エレメント:風、地
風は、常に流動して止まることのない性質を表しています。
地は、実質的で安定した性質を表しています。
*数字「3」があらわすもの:繁殖力、共同作業の最初の成果、協力的努力
状況:母性とは、ありのままを肯定する心の大きさのこと。子どもは、未熟な部分も劣等感も母親から肯定してもらうことで、ありのままの自分を肯定できるようになる。人間は、まず母性に満たされることができれば、多少の失敗にもへこたれない、強い心を得られる。児童心理学では、子どもは母性を充分に受け取らないと、父性を受け取れないとされている。女帝が母性なら、次の皇帝は父性を表す。
イメージキャラクター:アプロディテ(ギリシャ神話の美の女神)、マグダラのマリア、叶姉妹
リーディング例:相談者がなにか実りを得るとき、相談者の母性が高まるとき
これまでの努力が実を結ぶ。身も心も満たされるような愛情に包まれる。自分の弱さも相手の欠点も許せるようになる。独占欲が強い。快楽を重視する。女教皇は繊細で思いやりのある奥ゆかしい女性で、女帝はおおらかで愛情深いきらびやかな女性である。
4.皇帝/THE EMPEROR
意味:父性、統率、責任感、行動力、プライド、支配、独裁、厳格さ、男らしさなど
*支配星:火星(♂)
情熱と勇気、人生を積極的に作り上げるエネルギーのことです。
*エレメント:火
火には上にのぼる性質があり、向上心の強さを表しています。
*星座:牡羊座(♈︎)
情熱的で活気のある星座。本能のままに一人で突っ走るタイプです。
*数字「4」があらわすもの:構造、秩序、論理、基礎、耐える力
状況:父性とは、社会的責任のこと。父性は子どもが出会う最初の社会性である。人は責任を担うからこそ、自由を手に入れ、秩序を守ることで信用されていく。人間は母親からの揺るぎない愛を受けたあとに、父親の厳しさを受け取ることで健全な人格を形成できるのである。
イメージキャラクター:アレス(ギリシャ神話の戦の神)、ナポレオン
リーディング例:責任感のある行動を求められるとき
真面目で誠実な関係を築く。情熱的なアプローチ。リーダーシップを発揮できる一方で、ワンマンな振る舞いには気をつけて。ガチガチにしっかりした厳格なイメージより、意外と子どもっぽいところもありそう。人の意見を聞き入れる柔軟さを身に付けつつも、自分の意思を貫く確固たる強さを持って。
5.法皇/THE HIEROPHANT
意味:導き、教育、助言、道徳、伝統、聡明さ、保守的、迷信など
*支配星:金星(♀)
愛と喜び、芸術性や物質的豊かさを司る星です。
*エレメント:地
地は、実質的で安定した性質を表しています。
*星座:牡牛座(♉︎)
実質的な豊かさ、肉体を通して感じられる感覚の星です。
*数字「5」があらわすもの:不安定性、分裂、衝突、緊張、不確実性、粛正
状況:タロットの4が表すのは秩序のことで、5は4が崩れて不安定になるときを意味している。そういう不安を抱く状況下で、人を導くために生まれたのが預言者である。鈍重だが確実に進み、粘り強い。精神的な支えとなる。
イメージキャラクター:モーゼ、アウグスティヌス、ローマ法皇
リーディング例:誰かを導き、誰かに導かれるとき
自分の思考や慣習が変わるくらいの、新しい価値観を吸収する。寛大で寛容な態度で人の心に感銘を与える。他人の意見を聞き入れる。良いアドバイス、協力者、畏怖、コントロールする。
6.恋人/THE LOVERS
意味:合一、統合、愛、人としての愚かさ、協力して試練を克服するなど
*支配星:水星(☿)
知性とコミュニケーションを示し、論理的思考力とそれを生かす技術力、成果を人に伝える言語能力が備わっています。
*エレメント:風
風は、常に流動して止まることのない性質を表しています。
*星座:双子座(♊︎)
知性と実行力を備え、学習だけではなく遊び心も持ち合わせている。
*数字「6」があらわすもの:均衡の回復、調和、コミュニケーション、共有、思いやり
状況:ウェイト版タロットでは、旧約聖書のアダムとイブを表し、黄金の夜明け団タロットでは、ギリシャ神話のペルセウスとアンドロメダを表している。2つの共通点は、二人で共に試練を乗り越えていく愛である。トキメキよりは内面を結ぶ絆に近い愛。
イメージキャラクター:アダムとイブ、ペルセウスとアンドロメダ、ロミオとジュリエット
リーディング例:他者や事象と深い関係を結べるとき
他者と自分、お互いの価値観を尊重できる関係性。相手との共通点を見つけ、伸ばしていく。共感や協調性が高まる。快楽に流れたり、短絡的な思考や行動など人間特有の愚かさを持ち、しかしそれこそが人間の魅力。恋愛成就、今しか見えていない、人間の営みなど。
7.戦車/THE CHARIOT
意味:前進、拡大、凱旋、自己制御、暴走など
*支配星:水星(☿)、月(☽)
水星は知性とコミュニケーション、月は感情と心表す星とされています。
*エレメント:水
水は、くっつき混ざり合う性質を表しています。
*星座:蟹座(♋︎)
双子座が知性なら蟹座は感性を表します。一度仲間となれば結びつきを非常に大切にする反面、外部には冷徹な一面も。
*数字「7」があらわすもの:評価、塾考、出発点に立つ、強みを探す
状況:戦車を引く二頭のスフィンクスは、それぞれ衝動と思考という正反対の性質を表している。しかし、領土を拡大させるためには、勝ちたいという衝動と作戦を考える思考の両方が必要。そして、どちらがバランスを崩しても前に進まない。
イメージキャラクター:サウザンド サニー号、ヘラクレスに挑む蟹
リーディング例:自力でどんどん前進するとき
己の感情と理性をコントロールし、勇気を出して前に進んでいく力が発揮される。頑張れるのは守るべき仲間がいるから。積極性、チャレンジ精神、スピード感。マイナス面では空回りしたり、自己制御しすぎなど。
8.力/STRENGTH
意味:忍耐力、意志力、勇気、己の信念を貫く、不屈、コントロール不能など
*支配星:太陽(☉)
自我や個人、自己表現の星
*エレメント:火
火には上にのぼる性質があり、向上心の強さを表しています。
*星座:獅子座(♌)
蟹座が周囲との同化を望むのに対して、獅子座は個性を発揮したい星座です。
*数字「8」があらわすもの:行動、権力、裁定、終わりの始まり
状況:ストレングスとは、もともと備わっている能力や精神的強さのこと。パワー(実行力)は、ストレングスがあるからこそ発揮されるもの。凶暴なライオンを手なずけるには、諦めない忍耐力と確固たる信念が必要。自分の意志が崩れれば、ライオンに牙をむかれる可能性を秘めている。
イメージキャラクター:アスランとルーシー(ナルニア国物語)、安西先生(スラムダンク)
リーディング例:結果のために、あきらめずに努力できるとき
大きな結果を得るために、何度失敗してもあきらめない粘り強さと、自分の意志を貫く強さ。地道な努力を人一倍できるというある種の才能。ストーカーではなく自分磨きを頑張るようなあきらめない心。成果が出るまで努力する。それができるのは自分だけという意志。
9.隠者/THE HERMIT
意味:探求、内省、思案、道しるべ、慎重、経験則、孤立、引きこもりなど
*支配星:水星(☿)
知性とコミュニケーションを示し、論理的思考力とそれを生かす技術力、成果を人に伝える言語能力が備わっています。
*エレメント:地
地は、実質的で安定した性質を表しています。
*星座:乙女座(♍)
知性と感性を持ち合わせる星座です。蟹座(同化)と獅子座(個性)を調整します。
*数字「9」があらわすもの:成就、達成、一桁サイクルの終わり、最高点
状況:隠者とは、俗世間を離れて山奥でひっそりと暮らしている人のこと。静かな場所で雑音に惑わされることなく、自分の中の真実に向き合うことができる。そんな生き方は、一般の人から見れば、変わり者で孤独な寂しい人に見えるかもしれない。しかし、誰よりも勤勉で優れた分析力を持っている。
イメージキャラクター:ユパ(風の谷のナウシカ)、ポム(天空の城ラピュタ)、ガンダルフ(指輪物語)
リーディング例:今は焦らず一人でゆっくり考えを巡らすとき
他人に惑わされず、自分とじっくり向き合って答えを出す。過去の経験をもとに未来につながる道を探す。ものごとの根本を問う。深い真実にたどり着く。答えは意外と足元にあるもの。人の役に立ちたいという奉仕精神と几帳面で器用な実務能力を併せ持つ。浮世離れし過ぎて心を開けない、頑固な一面など。
10.運命の輪/WHEEL OF FORTUNE
意味:ターニングポイント、チャンス、変化、新たな出会いなど
*支配星:木星(♃)
拡大と発展、あらゆる物事を増幅させる力を表します。
*エレメント:火、水
火は、上にのぼる性質と向上心の強さを表しています。
水は、知性とコミュニケーションを示しています。
*数字「10」があらわすもの:一桁最後より一つ大きな数字、一つ余分、サイクルの終了、前進と再生の準備
状況:ここまで、自我の発達や周囲との共感、仲間との発展、人間性の成長を経て、ひとまず「人」の形成が終わりを迎え、更なる拡大に向けた時期が訪れる。ここからは、物質的な価値観の増幅とより精神的、哲学的思想との調和を目指していく。
イメージキャラクター:ゼウス(ギリシャ神話の全知全能の神)、モイライ(運命の三女神)が操る糸を紡ぐ糸車、無敵のスーパーラッキーマリオ
リーディング例:運命が切り替わり、幸運が呼び込まれるとき
現状からラッキーに出会って未来へ導かれる。今までの流れが変わるきっかけが訪れる。幸運をつかめるかは自分次第。何を選び取っても自分の人生に責任を負う。すべてを受け入れるなど。
11.正義/JUSTICE
意味:正義、正当性、公平公正、均衡、協調関係、仲介者、法律、権利など
*支配星:金星(♀)
愛と喜び、芸術性や物質的豊かさを司る星です。
*エレメント:風
風は、常に流動して止まることのない性質を表しています。
*星座:天秤座(♎)
人間関係や社交性と司る星座です。
*数字:1+1=2
状況:10番までで「人」としての成長を遂げ、「社会の一員」としての役割ができるとき。個性を尊重し、それぞれの公平さや他者との調和を求める姿勢は、誰をも愛さずには成り立たないものであり、それ故に、誰からも愛される存在である。
イメージキャラクター:ユースティティア(ローマ神話の正義の女神)、プラトン
リーディング例:自分も他者もどちらも納得できる公平な道を見出せるとき
公平さとは自分にも相手にも偏らないということ。「~なのに」は自分視点に偏り、「~のために」は相手視点に偏る。自他ともに尊重してこその公平さである。相手としっかり向き合うこと、向き合ってもらうこと。お互いを大切にできる対等な関係性。大切だけど特別視はしない。周囲と自分のバランスが悪いなら、どこが悪いのかを確認してお互いを尊重できる改善点を探す。
12.吊るされた人/THE HANGED MAN
意味:試練、献身、慈愛、自己犠牲、困難、身動きが取れない状況など
*支配星:海王星(♆)
無意識や直感、精神世界を司る星です。
*エレメント:水
水は、知性とコミュニケーションを示しています。
*数字:1+2=3
状況:逆さにつるされ、身動きが取れない男の状態はまさに逆境の渦中である。そんな状態にもかかわらず、男の顔は明るい。身動きが取れないからこそ、より精神世界に深く入り込み、無制限に能力を増幅させていく。男には逆境の中にも活路を見出せる強さが備わっている。
イメージキャラクター:リーバイス、オーディン(北欧神話の最高神)
リーディング例:困難な状況に陥ったり、我慢を強いられるとき
そのピンチをチャンスに変えて成長する。今自分にできることに集中して取り組む。また、苦しむ相手を救うために自分を抑えて尽くしている。その献身は苦しいものかもしれないが、自分で納得して行っている犠牲である。起きた事実は変えられない、しかし、その中で自分がどのように過ごすかが重要である。時間はかかるかもしれないが、困難を抜けたときには更なる成長が待っている。
13.死神/DEATH
意味:転生、変容、終末と復活、終わりと始まり、死など
*支配星:冥王星(♇)
破壊と再生、はじめとおわりを司る星とされています。
*エレメント:水
水は、知性とコミュニケーションを示しています。
*星座:蠍座(♏)
深い感情と他者との結びつきを表しています。
*数字:1+3=4
状況:死によって一人の男が終焉を迎えるが、その後ろには新しい夜明けが訪れている。現時点では、終わりは辛く望ましいことではないのかもしれない。しかし、手放すからこそ新しい世界を手に入れることができる。死は絶対に避けられない運命であるから、ここで終わるものは、終わりゆく運命にあったもの。
イメージキャラクター:ハデス(ギリシャ神話の冥界王)
リーディング例:なにかが終わりを迎え、新しいなにかが始まるとき
「なにか」は相談内容をよく検証すること。不可抗力的に物事を根本から変えてしまうほどの変化。変わりたいという想いから、行動に移し、これまでの習慣や考えが一変する。たとえ手放しがたくとも、情があろうとも潮時を見極めて手放す勇気を持つこと。ゼロからのスタート、分岐点、変化を受け入れる、なるようになる。
14.節制/TEMPRANCE
意味:融合、適量、節度、調和、均整、過剰、不一致、優柔不断など
*支配星:木星(♃)
拡大と発展、あらゆる物事を増幅させる力を表します。
*エレメント:火
火は、上にのぼる性質と向上心の強さを表しています。
*星座:射手座(♐)
未だ見ぬ世界へと飛び出していく星です。
*数字:1+4=5
状況:節制とは、欲望に負けて度を超えることがないよう慎むこと。ありのままの姿が過不足ない調和が取れた世界であり、求めすぎても求めなさ過ぎても不健全である。ゆえに、決して我慢をしろという意味ではない。孔子の言葉の「心の欲する所に従えども矩を踰えず」のような状態。
イメージキャラクター:エドワード・エルリック(鋼の錬金術師)
リーディング例:バランスが取れていて、行動力が発揮されるとき
節制のバランスとはピンと張った弓のような状態。均一な力加減で調和が保たれ、必要なときには、真っ直ぐ飛ぶ矢のようにずば抜けた行動力が発揮される。また、2つの瓶から違う物質を混ぜ合うことで、新しい世界を造り出す。気負わなくてもいい「丁度いい」落としどころを見つけること、自分の身の丈に合う場所を見つける。
15.悪魔/THE DEVIL
意味:堕落、惰性、欲望、目先の快楽、現状維持など
*支配星:土星(♄)、火星(♂)
土星は自己をコントロールする力、火星は情熱と勇気を表しています(攻撃性強め)。
*エレメント:地
地は、実質的で安定した性質を表しています。
*星座:山羊座(♑)
自己を社会に適応させる現実世界の象徴のような星です。
*数字:1+5=6
状況:一見恐ろしい悪魔が、2人の人間を強く拘束しているように見えるが、実は悪魔の鎖はゆるくいつでも逃れられる状況にある。それにもかかわらず鎖につながれているのは「できない」と思い込んでいる人間自身の怠惰であり、本当は最初から障害など存在せず、すべては自分次第でどうにでもなるのだ。
イメージキャラクター:クロノス(ギリシャ神話の農耕の巨神)、ミノタウロス(ギリシャ神話)
リーディング例:現状維持を好み、楽な方へ流されやすいとき
保守的で冒険は好きではなく、成長や発展よりも安定や確実性を求める傾向にある。自分の目に見える範疇を超えたくない。やりもしないうちから「できない」「無理」とか「明日から本気出す」というタイプ。しかしそこから抜け出さなければ、いずれ現状維持すら怪しくなる。セフレなど都合のいい関係、誘惑に負ける、自分で自分の首を絞めること。石橋をたたくように時間をかけて成し遂げる。
16.塔/THE TOWER
意味:ゼロからのスタート、晴天の霹靂、崩壊、アクシデント、再起など
*支配星:火星(♂)
火星は情熱と勇気を表しています。
*エレメント:火
火は、上にのぼる性質と向上心の強さを表しています。
*星座:牡羊座(♈)、蠍座(♏)※火星の支配星
*数字:1+6=7
状況:今まで築いてきた地位が、雷によって突如崩れ去る。雷は天災であり、誰もよけられないもの。起こったことは手放しに喜べるものではないかもしれないが、この後どう行動するかが大事。悪魔がもたらしていた悪習慣を断ち切るチャンスかもしれない。絶望するか希望を見つけるか、行動次第で未来は変えられる。盛者必衰の理。
イメージキャラクター:ルイ16世(フランス国王)、バベルの塔
リーディング例:ゼロからの再構築が必要なとき
古いものの崩壊からの新しいものの到来。死神が終わるべくして終わるものを表すなら、塔は突然の不運によって終わるもの。行き詰まりやしがらみを感じているなら変わるこの機会をチャンスと捉える。トラブルを避けたいならこの機会にアクシデントへの準備を整えておくことで回避できる。負のイメージがつきやすいカードであるが、そんなことはない。
17.星/THE STAR
意味:希望、期待、楽観、展望、支援、高望みなど
*支配星:天王星(♅)、土星(♄)
天王星は刷新や独創性、土星は自己をコントロールする力を表しています。
*エレメント:風
風は、常に流動して止まることのない性質を表しています。
*星座:水瓶座(♒)
自由を求め、独自の価値観を構築していく星です。
*数字:1+7=8
状況:崩壊した塔の絶望から新しい希望の光が現れたところ。カードのひときわ輝く星は北極星で、絶対にブレない旅人の道しるべになる星。暗闇の中を進むのは誰でも怖い。しかし確固とした希望があれば自分の進む道を迷うことはなくなる。
イメージキャラクター:ウラノス(ギリシャ神話の宇宙そのものの神)、ハウルとカルシファー(ハウルの動く城)
リーディング例:希望が生まれ展望が開けるとき
現時点では希望が芽生えた段階で未来がどうなるかはまだ分からない。しかし希望を信じることで、希望を叶えるための道を模索することはできる。結果よりもそこに到達するまでの過程を楽しんだり、目標を掲げたことそのものに価値を見出す。自分の感性を大切にする、好奇心に従う、理想ばかりで中身がないことに注意。
18.月/THE MOON
意味:不安、恐れ、躊躇、迷い、錯覚、戸惑い、情緒不安定など
*支配星:海王星(♆)
無意識や直感、精神世界を司る星です。
*エレメント:水
水は、知性とコミュニケーションを示しています。
*星座:魚座(♓)
自己と他者、精神と物質の境界線を調和を表す星座です。
*数字:1+8=9
状況:暗闇にぼんやり浮かぶ月は、美しくもどこか恐ろしげである。昼間しっかり持っていたはずの意思が、夜になるとあやふやなものに感じてしまう。昼間は息をひそめていた潜在意識が、夜の曖昧さに感化されて胸の内に大きくなるにつれて不安が生まれてくる。
イメージキャラクター:ディアナ(ローマ神話の月の女神)、アルテミス(ギリシャ神話の狩猟の女神)、セーラームーン
リーディング例:自分の行動に自信が持てず、不安になりやすいとき
普段なら気にならないようなちょっとした出来事で、精神を揺さぶられたり、不安に陥り、次の行動を躊躇してしまう。しかし反対に感受性が高まっているときでもあるので、自分を磨くにはいいタイミングである。不安というのは「曖昧さ」から生み出されるもの。このカードがでたら、自分が何を感じ、どう思うのかを具体的に見つめ直してみて。
19.太陽/THE SUN
意味:喜び、エネルギー、明確、若さ、幸福、楽観、わがまま、エゴなど
*支配星:太陽(☉)
自我や個人、自己表現の星
*エレメント:火
火には上にのぼる性質があり、向上心の強さを表しています。
*数字:1+9=1+0=1
状況:夜の不安が過ぎ去り、すべてが明るみに照らされた様子。エネルギーに満ち、不安は何もない。自分ではっきりと「大丈夫!」と確信できる状況。自分の在り方を自分で理解できている。
イメージキャラクター:アポロン(ギリシャ神話の太陽神)、ルフィ(ワンピース)
リーディング例:エネルギーが湧いて自分自身が輝けるとき
自分の価値や使命を理解し、バイタリティに溢れている。自分のありのままを受け入れた自己確信・自己肯定が高まっている状態。自分が生み出した結果そのものよりも、そこに至るまでの行動やプロセスを楽しめるさま。自分の中では筋が通っていても、他者には伝わらないので傍からみると自分勝手に映ることも。
20.審判/JUDGEMENT
意味:飛躍、奇跡、転生、復活、解放、活力など
*支配星:天王星(♅)
天王星は刷新や独創性を表しています。
*エレメント:火
火には上にのぼる性質があり、向上心の強さを表しています。
*数字:1+1=2+0=2
状況:ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教などの宗教には「最後の審判」という終末的思想が存在する。これは、世界の終末の日に神もしくは神的存在がその義を基に、人間の思いや行ないに裁きを下すという思想である。裁きの内容は宗教ごとに異なるが、天国と地獄のどちらに行くか決められる、または、終末で一度人類をリセットしてより良い世界を新しく作り直すためにまた人類を復活させるなどが主な内容である。この審判のカードはまさにその終末を描いていて、今まで発展してきた人間の世界をいま一度立て直している。
イメージキャラクター:不死鳥、イエス・キリスト
リーディング例:根本を覆すような劇的な進化を遂げるとき
奇跡というのは単に運の良し悪しで訪れるものではない。それまでの努力や行動が伴うからこそ来るべきタイミングで奇跡のような幸運が訪れるものである。人事を尽くして天命を待つ。今までの人生観が、良い方向へ根本的に変わるような出来事や人との出会いに恵まれ、そこに呼応して自らも進化する。
21.世界/THE WORLD
意味:ハッピーエンド、大成功、完成、最大成果など
*支配星:土星(♄)
土星は自己をコントロールする力を表しています。
*エレメント:地
地は、実質的で安定した性質を表しています。
*数字:1+2=2+1=3
状況:タロットカード78枚の中で一番のハッピーカード。すべてが満ち足りたていて、完成している状態。「一は全、全は一」「One for All, All for one」。しかし完成とは限界と同意、幸せを持続させるには常に挑戦と努力も必要。この素晴らしい世界から飛び出していくのが愚者であり、そこからまた世界が続いていく。
イメージキャラクター:アルカディア、ユートピア
リーディング例:世界と調和し、心の底から幸福を実感できるとき
すべてのしがらみや試練から解放される、または納得できたからこその幸せを実感する。世界(宇宙)と自我の境界線が溶け込み調和が保たれている状態になること。単純に自分の望みだけが叶うといった私欲的な幸福ではない。自分だけの幸せや成功ではなく、自分も周りもともに幸せを感じられるような成功を意味する。たとえそのとき自分の望みに反していても、これがあったから今の幸せがあると思えるような、今後の人生に影響を及ぼし、心の奥に深く刺さる出来事が訪れる。
きりん流のカード解釈のポイント
使用:ウェイト版タロットカード
仕様:逆位置は採用せず、カードが持つエレメントの相性と前後の並びにより、意味の強弱を判断しています。
きりんが占いに使用しているウェイト版タロットを生み出したウェイトも、トート・タロットを生み出したクロウリーも、もとは神秘主義団体〈黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)〉の団員でした。そのため、当時の〈黄金の夜明け団〉のノートや記録を基に作られたとされるタロット・デッキ「ヘルメティック・タロット」の絵柄を見比べて、タロットの意味解釈の参考にしています。
ここには、わたしが自分なりに集めた知識から膨らませた解釈を記しています。イメージキャラクターや状況などはあくまでわたしが抱くイメージにすぎません。よって、他人が読んでも理解しにくい表現も含まれていると思います。
しかし、せっかくタロットの意味をまとめるなら、どの本にも書いてあるような文言を並べても仕方ないと思い、このようなまとめ方にしました。
最初に述べたように、タロットカードに正解はありません。
十人十色の意味やイメージがあり、ぜひご自分のしっくりくる解釈を見つけてください。
参考文献
▼有伽堂きりんが初めて購入したタロット入門です。初心者におすすめ。
▼その名の通り完全版です。辞書として使用できます。
▼絵柄に星座やエレメントの要素が盛り込まれていて、ウエイト版と見比べると解釈が深まります。
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